当教室の悪性脳腫瘍研究グループ:立石健祐准教授(主任研究員)、林貴啓大学院生、山本哲哉教授らは、悪性脳腫瘍を迅速病理診断と分子診断を統合してわずか90分間で高精度に術中診断を行う新しいシステム“i-ID”を開発しました。研究成果は、米国癌学会学術誌「Clinical Cancer Research」に掲載されました。
【論文の要旨】
研究の背景と内容:
・成人の中枢神経系悪性腫瘍の迅速診断のための研究。
・手術で採取した組織を迅速病理診断で評価し、免疫組織化学検査と遺伝子解析も実施。
主要な結果:
・後方視的検討では、153症例中145症例(94.8%)で“i-ID”と永久統合診断が一致。
・前方視的研究では、101症例中98例(97.0%)で“i-ID”と永久統合診断が一致。
・“i-ID”システムを使用して、グリオーマやPCNSLの高精度な迅速診断が可能であることが示された。
今後の展開:
・“i-ID”は、最新の分類基準に基づく中枢神経系悪性腫瘍の統合診断を提供する実用的なツールであり、手術中の個別治療方針の立案や、早期の治療介入が可能になると期待される。
・“i-ID”は、個別化医療の基盤としての発展が期待される。
詳細は横浜市立大学のプレスリリースもご参照ください。