当教室 立石健祐准教授、山本哲哉教授らの研究グループは、希少な腫瘍性疾患であるIDH2変異星細胞腫の悪性化が、RB経路とPDGFRA経路の活性化を引き起こす遺伝子異常によって生じることを、臨床検体と同一患者由来の脳腫瘍モデルを詳細に解析することで明らかにしました。
本研究成果は、「Acta Neuropathologica Communications」に掲載されました。論文リンク
本研究から得られた重要な成果として、臨床検体とIDH2変異星細胞腫PDXモデルを駆使することで、希少疾患であるIDH2変異星細胞腫の進展・増悪機序が明らかになったことが挙げられます。その結果、IDH2変異星細胞腫はIDH1変異星細胞腫と類似した遺伝子異常が生じることで腫瘍進展・悪性化を呈することが見いだされました。これまで、慣例的にIDH1変異とIDH2変異を同一区分として扱われていましたが、今回の研究によりその区分化は妥当であることが初めて示されました。更に、今回の研究を通じて世界初のIDH2変異星細胞腫PDXが樹立されたことで、今後のIDH2変異神経膠腫に対する病態解明、治療法開発研究が可能となりました。
詳細は横浜市立大学のプレスリリースをご参照ください。