研究・論文

園田真樹先生らの原著論文がEpilepsiaに掲載されました

当教室員の園田真樹 助教・YCU Frontier Research Fellowらの研究論文が、てんかん分野のトップジャーナルの一つである国際学術誌 “Epilepsia” に掲載されました。

論文リンク:Optogenetically-induced sustained hypothalamic hyperexcitability impairs memory via thalamic spread

本研究では、光遺伝学的手法と行動・生理学的手法を組み合わせた動物実験を通じ、視床下部過誤腫症候群の患者に存在するてんかん性脳症の病態を再現することに成功しました。本研究では、チャネルロドプシンという光感受性タンパク質を用いて、視床下部過誤腫症候群のてんかん性異常放電の伝播を模したモデル動物を作成しました。そして、認知記憶課題の遂行中に活動する視床背内側核に異常な神経興奮が伝播すると、認知活動の遂行能力が可逆的に阻害されることを人工知能解析で実証しました。

てんかん性脳症は、てんかん性異常放電自体が原因で脳の機能や発達が障害される状態と定義されますが、動物実験でその病態を実証した報告はこれまでありませんでした。本研究の成果は、てんかん性脳症の病態理解を深める神経科学的に非常に重要なものです。また、従来、てんかん患者の治療の主な対象はてんかん発作でしたが、本研究結果は、将来的には認知症や行動異常に対する治療として、異常な神経興奮やその伝播が治療ターゲットとなる可能性も示唆しました。

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