大学院の大島聡人先生らの原著論文がJournal of Neurosurgeryに掲載されました。
本論文は、同門のほどがや脳神経外科クリニックの非常勤医でもある筆頭著者を中心に、同クリニックのデータを用いて「非脳梗塞・非くも膜下出血で発見された頭痛のみの椎骨動脈解離」(isolated headache iVAD)の105症例を解析した研究です。
Isolated headache iVADは臨床でしばしば遭遇するものの、その予後や適切なマネジメントについて明確な指針がこれまで示されていませんでした。本研究の結果、isolated headache iVADの予後は基本的に良好であることが明らかになりましたが、一方で、初診時のMRIで狭窄病変を伴わず動脈瘤拡大を認める症例(いわゆるfusiform aneurysm type)においては、動脈瘤が亜急性期から慢性期にかけて増大するリスクが高いことが確認されました。このため、必要に応じた外科的介入の重要性が示されています。この結果をもとに、本論文ではisolated headache iVADの具体的なフォローアップ方針を提示しています。