研究・論文

秋本大輔先生の論文がActa Neurochirurgicaに掲載されました

横浜市立大学附属市民総合医療センター脳神経外科, 秋本大輔助教の論文がActa Neurochirurgicaに掲載されました。

無症候性髄膜腫の治療方針は原則経過観察ですが、拡大や腫瘤効果を認めた場合は手術の適応となります。本研究は、無症候性髄膜腫に対する手術後の合併症や再発の危険因子を探ることを目的とし、2007年4月から2021年3月までに横浜市立大学附属市民総合医療センターで手術を行った無症候性原発性髄膜腫患者109例を後方視的に検討したものです。

結果、治療に関連した術後永久合併症率は1.8%で、無症候性髄膜腫を手術した107例(98.2%)の術後1年後のGlasgow Outcome Scaleは5 (good recovery)と良好でした。多変量解析では、術前の腫瘍塞栓術で腫瘍染色の80%以上の消失(p<0.001)は再発と負の相関があり、年齢(p=0.046)およびSimpson grade IV切除(p=0.041)は再発に正の相関がありました。

結論として、無症候性髄膜腫に対する手術は多くの症例で安全である反面、合併症がまったくないわけではないことが判明しました。Simpson grade IVの切除例では再発の有無を評価する必要があり、術前の腫瘍塞栓術は再発抑制に有効である可能性も示されました。

詳細はリンクよりご参照ください。

関連記事

TOP