木元 蓉子、広川 大輔、今西 雄也、横須賀 とも子、田中 水緒、笹野 まり、山本 哲也:
小脳半球原発 pure yolk sac tumor の小児例
『小児の脳神経』第50巻第3号:p67–72, 2025年
研究概要
中枢神経原発胚細胞腫瘍のうち、純型 yolk sac tumor は全体の約2%と非常に稀であり、1年生存率45.2%と予後不良な疾患です。確立された治療プロトコールが存在しない中で、本症例では小脳半球原発の小児例に対し、開頭腫瘍摘出術に加えてICE療法(ifosfamide, cisplatin, etoposide)を4コース施行し、さらに放射線療法を併用しました。その結果、2年以上再発なく良好な経過を得られており、治療方針検討の一助となる貴重な症例報告です。