外傷・他

頭部外傷の種類

頭部外傷といっても,「頭をこすった」から「致命的なダメージになった」まで下記の通り様々な種類があります.多くの場合,頭皮の損傷・脳震盪で済むことが多いのですが,時に命にかかわる重傷を負うことがあり注意が必要です.

  • 頭皮損傷
  • 頭蓋骨骨折:線状骨折,陥没骨折(閉鎖性,開放性)
  • 急性硬膜外血腫
  • 急性硬膜下血腫
  • 外傷性脳内血腫・脳挫傷
  • びまん性脳損傷(脳震盪,び慢性脳腫脹,びまん性軸索損傷)
  • 外傷性脳血管障害
  • 気脳症
  • 髄液鼻漏・髄液耳漏
  • 穿通外傷
  • 視神経管損傷・視神経損傷

頭部外傷時の対応

頭部打撲後,余裕があれば,清潔なタオル,ガーゼ等で圧迫止血を行うのが理想的です.傷が大きい場合など止血が難しく,縫合処置が必要な場合も多くありますが,大部分はお近くの外科病院でも処置が可能です.6時間程度は意識状態が急激に悪化したり,麻痺が出現したり,頻回に嘔吐したりすることがあるので,少なくともその間よく様子をみてあげることが必要です.もしそのような状況になった場合には頭部CTが必要な場合が多くあります.速やかに病院を受診するようにしてください.

病院で行う検査

頭部外傷の場合に行う検査は概ね頭部単純レントゲン,頭部CT,頭部MRI,脳血管撮影などです.このうち,頭部MRIや脳血管撮影検査が急性期に必要な場合はごく限られています.

入院が必要な時

頭部CTで出血や骨折がない場合,神経学的に異常がなければ,基本的には入院による経過観察は必要ありません.出血や骨折が無い場合でも,神経学的に異常がある場合,CTで写らない病変(びまん性軸索損傷等)があったり,遅れて脳挫傷が出現したりする場合があるため,入院が必要になることがあります.入院した場合,基本的には1日以上安静臥床し,繰り返しCTを撮影する必要があります.これを診て退院のタイミングをはかります.

手術が必要な時

頭蓋内に出血した場合,出血と,それに伴う脳の腫れによって,脳幹部が圧迫されることを「脳ヘルニア」といい,手術の目的はこの脳ヘルニア防止および解除です.脳そのものについたダメージが元に戻るわけではありません.緊急手術はあくまで救命目的に行うもので,どのような後遺症が残るかは緊急手術を行う時点では分かりません.脳挫傷や外傷性脳内出血を伴う場合,いわゆる「植物状態」などの重篤な後遺症を生ずることが多くあります.当院でも,このような緊急手術を行う体制にあります.手術適応は難しいので,専門家にお任せください.