小児脳神経外科

小児脳腫瘍の特徴

15歳未満の小児に多い脳腫瘍は,星細胞腫,胚細胞腫,髄芽腫,頭蓋咽頭腫,上衣腫と続きます(本邦の脳腫瘍全国統計:2014年発表 2001-2004年統計より).頭痛,嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状で気づかれることが多く,水頭症や脳ヘルニアを来している場合には緊急の対処が必要です.小脳や脳幹に近い後頭蓋窩では,髄芽腫,上衣腫,星細胞腫が多く,テント上では胚細胞腫,頭蓋咽頭腫,上衣腫,星細胞腫などが認められます.

皮膚のカフェオレ斑を特徴とする神経線維腫症I型 (Neurofibromatosis type I: Von Recklinghausen disease) は,常染色体優性遺伝が半数,突然変異の孤発例が半数で,視神経膠腫や神経線維腫を伴うことがあります.両側聴神経鞘腫を特徴とする神経線維腫症II型 (Neurofibromatosis type II) は髄膜腫や神経鞘腫が多発することがあります.

小児脳腫瘍に関連して,陽子線治療を含めて広くセカンドオピニオンに対応いたします.連携する筑波大学陽子線センターはこちらからご参照ください.

当院では,小児科・脳神経外科と連携し,診療にあたっています.

代表的な症例

以下に代表的な症例を提示いたします.

5歳 退形成性上衣腫(左:術前 右:術後)
3回の手術で全摘出.以後局所放射線照射を加え,術後再発なく経過.
4歳 髄芽腫(左:術前 右:術後)
頭痛,嘔吐を認め緊急手術.術後小児脳腫瘍コンソーシアムの化学療法レジメンに則り加療.陽子線照射(全脳全脊髄 18Gy/10Fx,局所boost 36Gy/20Fx).再発なくKPS 90と良好.
11歳 松果体部胚細胞腫(左:術前 右:術後)
神経内視鏡下の生検術で診断.局所照射 (23.4Gy) および化学療法 (CBDCA+VP-16) を施行.現在は完全寛解 (CR).
5歳 頭蓋咽頭腫(左:術前 右:術後)
石灰化を伴い2回の手術で全摘出.下垂体機能は補充療法継続.現在再発なし.術前の視野障害も改善.

その他の小児に代表的な疾患

もやもや病

内頚動脈の狭窄が進行していく疾患で,小児期には虚血発症が多く,麻痺や痙攣などで気づかれます.RNF 213遺伝子が疾患感受性に関わることが示され,横浜市立大学遺伝学教室でも遺伝子評価を行っています.症候性の脳虚血に対し,外頚動脈と内頚動脈とのバイパス術を行っています.

脳血管外科の章をご参照ください.

頭部外傷

運動時の頭部打撲,脳震盪,切創時の縫合など,救急外来で対応しています.脳震盪症状は,嘔気,嘔吐に加え,記銘力障害の健忘(順行性・逆行性)につながるときもあり,経過観察目的に入院を勧めることもあります.急性硬膜外血腫,急性硬膜下血腫,陥没骨折,髄液漏など開頭手術が必要になることもあります.

先天性水頭症・脳室内出血・二分脊椎

当院では扱っておらず連携施設である神奈川県立こども医療センターに依頼しています.