機能的脳外科

機能的脳神経外科とは

痛みや不随意運動で困っている方を手術で直す,という治療法のことです.パーキンソン病,本態性振戦,ジストニア,片側顔面けいれん,三叉神経痛,痙縮などが治療対象になります.これらの治療は横浜市立大学医学部附属病院及び附属市民総合医療センターで分担し治療を行なっています.

パーキンソン病,本態性振戦などに対する脳深部刺激術(DBS手術)

最近,マスコミなどにも取り上げられ,注目を集めている治療法です.パーキンソン病などの不随意運動に対し,脳深部の視床,淡蒼球,視床下核という場所に,電極を埋め込みます.電極は太さ1mmほどで,それに接続するバッテリーを胸の皮膚の下に埋め込みます.これにより,固縮や振戦,ジスキネジアがなくなり,on-offが改善する,というものです.今飲んでいる薬の量を減らすこともできます.

顔面けいれん,三叉神経痛

では,一体どのくらい効くのでしょうか?私の印象では,正しい適応で,正確な手術が行われれば,90%以上の人に何らかの効果が期待できると思います.正しい適応と正確な手術.つまり,これが最も大切なことです.当科では,神経内科と連携し,患者さんの評価をきっちり行います.

手術は,耳の後に500円玉程度の穴をあけて行います. この病気の原因は脳の血管が顔面神経にあたっていることです.手術では血管の位置をズラして顔面神経に当たらないようにします. 7~10日間程度の入院で可能です.

顔面けいれんは,顔の半分,特にまぶたと口が勝手にピクピクとなってしまう病気です.この病気自体命に関わることはありませんが,外見上を含め,とにかくお困りの方はいらっしゃると思います.治療法は3つです.まず内服治療,ボトックス注射,そして手術です. ボトックス注射も有効ですが,数ヶ月程度で効き目がなくなってしまうことがあります.

三叉神経痛は顔の半分に耐え難い痛みが走る,俗に「顔面神経痛」といわれている病気です.まず内服治療を行いますが,それが効かない場合は,ブロック,ガンマナイフ(放射線治療),手術となります.手術は顔面けいれんの手術と似ていて,三叉神経と脳の血管が当たっているところをズラします.ガンマナイフ治療に関しても,連携病院にて,スムーズに治療が受けられます.

髄腔内バクロフェン療法

脳や脊髄の病気(脳性麻痺,頭部外傷,脊髄損傷など)が原因で痙縮(関節が痛みを伴って硬直してしまうこと)となってしまった患者さんに対する治療です.腰椎からシリコンの細い管を脊髄に入れてそこから筋肉を軟らかくする薬 (GABA) を注入します.持続的に管に薬を注入するために,小さなポンプをお腹の皮膚の下に埋め込み,薬液は3ヶ月に1回,皮膚の外から補充します.脊髄損傷の患者さんの痙縮による腹部圧迫感等にも有効です.

リハビリテーション科と連携して術前から術後まできっちりフォローします.